「はめつのおうこく」に興味を持たれた方へ

当ブログは「剣の王国」の検索ワードでの検索流入が多いんですが、ここ数日は「はめつのおうこく」からの流入が増えています。もしも「はめつのおうこく」でyoruhashi先生の存在を知ったそこのアナタ! 「はめつのおうこく」を読み進める前に是非「剣の王国」を読んでほしい! ということで、勝手ながら「剣の王国」がどんな物語なのかまとめておこうと思います。

と、思ったんですが

既に ウィキペディア などで基本的な情報はまとめられているので、(ただし登場人物一覧にはネタバレも含まれていますのでご注意を)、ここでは「剣の王国」の印象的なシーンをいくつか紹介したいと思います。
因みに記事トップの詩は右側から読んでください。(「剣の王国」の掲載媒体が縦スクロールという特性上、yoruhashi先生があのように構成したものと思われます)

よく「アニメを見ているようだ」と形容されるんですが、この躍動感ですよ。キャラの日常的な動きはもちろん、アクションシーンも見応えがあります。

鬼人(トロール)の兄弟。この二人は「鏡の国のアリス」に出てくるキャラクターがモチーフになっています。「剣の王国」にはあらゆる童話のモチーフが尋常じゃないほど出てきます。それも何重にもかけられていたり、そのミックス具合がまた巧妙で、それでいて破綻なく物語が構成されているのがyoruhashi先生の凄いところ。ところでこんな大きな敵をアルフレド(主人公)一人で倒してしまうんですが、そのダイナミックな戦法も必見です。個人的に、でんでん太鼓モーニングスターが付いているのがツボです。

台詞や擬音が無くてもこの迫力。yoruhashi先生のキャラクターは表情が既に物語っているので、例えば、「なに」という一見味気ない文字列が添えられていたとしても、まるで「なに!」、「なに⁉︎」みたいな感嘆符が付いているかのように錯覚してしまうほど表情豊かに描かれています。

全編通して台詞なしという章があるんですよね。コミコにはコメント機能があるんですが、台詞が無くとも多くの読者が共通した印象で読み取っていることが伺えます。それだけ正確にその事象やキャラの表情をを描き分けているということです。

ドロテーア(ヒロイン)を連れ去る男がこれまた彼女の理想像まんまの美青年なんですよね。一体どうなることやら。「剣の王国」の主人公二人は、いわゆるボーイミーツガールな出会い方をしたわけですが、それでも直ぐには恋仲になりません。人間模様に関しては本当に理性的に、そしてどこがピークなのかが計算されて描かれています。大丈夫です。これでもかというほどキャラクターたちの機微を味わえます。

「流星列車の章」という章は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がモチーフになっています。アルフレドはドロテーアに「話しておきたいこと」があったみたいなんですが、彼はちゃんと伝えられたんでしょうか。

ようこそ「剣の王国」沼へ。

comicoでの掲載は終了しましたが、マグコミでの連載が始まりました。
▼剣の王国 序篇
剣の王国 - yoruhashi / 第0話「序篇」 | MAGCOMI