【剣の王国】引用・モチーフ#ジルコニアの章
「ジルコニアの章」の出てくるモチーフまとめです。
【目次】
登場キャラクターの元ネタ
※登場順
【ジルコニア・モルガン】
【イザナダ・ペンドラゴン】
【アルフレド・ペンドラゴン】
【トト】
【メージ・グリフォン】
【二番目の魔女】
- 「ウィキッド」のグリンダ
【一番目の魔女】
- 「ウィキッド」のネッサローズ
作品別引用要素
アーサー王伝説(トマス・マロリー、他、中世後期)
◆ペンドラゴン
- アーサー王伝説における「ペンドラゴン」という称号は、文献によってはアンブロシウス・アウレリアヌスに与えられたもので、彼の死後、弟であるユーサーに王位とともに受け継がれたとされる。(因みにユーサーは架空の人物だが、このアンブロシウス・アウレリアヌスは実在したらしい)
- アーサー王伝説の古典の一つ、「ブリタニア列王史」では、サクソン人との戦争中だったある時、夜空を流れる巨大な彗星が現れ、それはまるで燃え盛る赤い竜のようであった。その後、勝利を収めたユーサーは、その彗星にちなんで「ペンドラゴン(=竜を統べる者)」の称号で讃えられた。
◆ユーサー・ペンドラゴン(wikipedia:ユーサー・ペンドラゴン)
【概要】
- アーサー王の父親
【エピソード】
- ブリテンの南西部、コーンウォールという地域を治めていたゴルロイス公には、とても美しい妻がいた。妻の名はイグレイン。
- 当時ユーサー王はこのイグレインに一目惚れし、コーンウォールに対し宣戦布告する事態にまで発展する。
- しかしユーサーはゴルロイスとの戦争そっちのけで、魔法使いマーリンに頼んでゴルロイスに変身し、そうとは知らないイグレインと一夜を共にする。(その時の子がアーサーなわけだけど)
- ゴルロイスは戦死し、ユーサーはまんまとイグレインを妻とした。(このど畜生が!)
【引用要素】
- ジルコニアへの思いが強いあまり、アルフレドが容姿を変える
◆モーガン・ル・フェイ
【参考】
【概要】
- アーサー王の異父姉で魔女。イグレインとゴルロイスとの間に産まれる。
- 文献によって三姉妹の末娘だったり、九姉妹の長女だったり。
- 九姉妹バージョンの彼女は伝説の島アヴァロンの統治者で、医術に長け、歌声が美しく、変身術を得意とする。
【引用要素】
- 医術に長け→匿ってくれている村のために薬を調合する。
- 歌声が美しく→不明。(でもジルコニアの声は美人声なイメージある、というかその系統の声優が起用されるんじゃないかな)
- 変身術を得意とする→ふざけた変装してたなあ……。
オズの魔法使い(ライマン・フランク・ボーム、1900年)
【引用元キャラクター】
- トト→主人公ドロシーの愛犬。
- 臆病なライオン→ドロシーの愛犬トトを威嚇し、ドロシーに「臆病者!」と一蹴される。
【引用要素】
- メージ・グリフォンvsトト。本家のトトとライオンはその後仲良くなったみたいだけど。
雪の女王(アンデルセン童話、1844年)
【参考】
- wikipedia:雪の女王
- ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 雪の女王 SNEDRONNINGEN 七つのお話でできているおとぎ物語(青空文庫)
- 雪の女王(七つのお話でできているおとぎ物語) - アンデルセンハンス・クリスチャン | 青空書院(スマホ向け)
【あらすじ】
- 少年カイはある日、雪の女王に連れ去られる。
- 女王が額にキスをするとカイは寒さを忘れ、2回目のキスでは幼馴染や故郷の事を忘れる。これ以上はカイが死んでしまうと女王は言う。
- カイは女王の美しさに心を奪われ、自分が計算が得意なことや、物知りである事をアピールする。
- 女王は夜な夜なカイを連れ空高く舞い上がり、森、湖、海、陸の上、あらゆる場所を飛び回わり、昼になるとカイは女王の足元で眠った。
- 女王は、氷のパズルで「永遠」という文字を作ることができたら、自由の身にすることと、全ての世界をあげるとカイに言い、城を留守にする。
- カイはどうしても「永遠」を作れずにいるうちに身体が凍りついてしまう。
- そこへ幼馴染ゲルダが彼を探し出し、(以下アトラント編のモチーフまとめに記載)
【引用元キャラクター】
- 雪の女王:すらりと背が高く、目がくらむほど白くて美しい。城にいる間は、凍った湖の中央に座る。凍った湖は幾千ものかけらで形成されていて、かけらの形は皆寸分違わず同じ。(氷の結晶ってことですかね)彼女はその空間を「理性の鏡」と呼び、世界でただ一つしかない素晴らしいものだと言う。
- カイ:悪魔が作り出した鏡の破片が刺さったことにより、利己的な性格に変容する。雪の女王に連れ去られ、結果凍結する。幼馴染ゲルダに溶かされ元に戻る。
【引用要素】
- 冷気のSPELLのモチーフ。
- 45話タイトル「少年と氷の魔女」
- 47話、事典の横にパズルのピースが転がっていて、アルフレドが遊んでいる様子を想起させる。
- アルフレドを「理に基づいた世界」へと傾倒させる役割を負っている。
ウィキッド(ブロードウェイミュージカル、2003~)
【参考】
【あらすじ】
- 「オズの魔法使い」の西の悪い魔女=エルファバにスポットを当てた物語。
- 大学に通うエルファバは、グリンダと、ウィンキー王国の王子フィエロと友人関係になる。
- オズ王国に招待され、動物排斥運動への誘い断ると、「悪い西の魔女(ウィキッド)」の汚名を着せられる。
- 最終的に、グリンダと婚約中の身であるフィエロの元に逃げ込み、二人は駆け落ち。
- 妹の危機を察知して駆けつけるが、妹は竜巻で飛んできたドロシーの家に潰されてしまう。
- エルファバは「ウィキッド」として生きていくことを決め、グリンダに平和への意志を託す。
- ドロシーに水をかけられ消えたエルファバ。しかし実は生きていて、フィエロと再会し、二人はオズの国を去った。
【引用元キャラクター】
- エルファバ(主人公):緑色の肌が原因で周囲から奇異な目で見られる。のちに「ウィキッド」の汚名を着せられ逃亡を余儀なくされる。
- グリンダ:エルファバのルームメイト。美人で明るく、民衆からも人気を集める
- ネッサローズ:エルファバの妹。のちにマンチキンの統治者(つまり東の悪い魔女)となる。男への執着から国民に圧政を強いる。なんやかんやでエルファバに罪を着せる。
【引用要素】
その他
◆「イザナダ」という名前の由来
- 「アーサー王伝説」は、ウェールズの伝承という一面もあるんですが、ウェールズ語に「nahdau=父親」という言葉があります。これが「ナダ」の部分ではないかと。
- だとすれば「イザ」の部分は何なんだということなんですが、「イーサー=イエス・キリスト」なんじゃないかなと思います。イエスには生物学上の父親がいませんよね。しかしアルフレドがペンドラゴンを名乗ったことにより、生物学上の父親ではないが、立ち位置的な父親になったと言えます。
- あるいはやっぱり「アーサー」をもじったのか。
- ペンドラゴン→ハウルが使う偽名の一つ
- ハウルって「美しくなければ生きる意味がない」的な事を言ってた気がするんですが、髪も染めていたりと、「容姿へのこだわりがアイデンティティですらある」、という部分が共通かなと思います。
◆魔法使いの弟子(wikipedia:魔法使いの弟子)
【あらすじ】
- 雑用を言いつけられた弟子が、魔法で仕事を片付けようとする。
- しかし未熟なので大惨事を引き起こし、帰ってきた師匠に怒られるという話。
【引用要素】
- アルフレドが先走って、ジルの言いつけを守らない感じがそれっぽい
◆少年の魔法の角笛(wikipedia:少年魔法の角笛)
- 「ドイツのマザー・グース」と言われる民謡集。
- このタイトルは一番最初に収録されている童謡「Das Wunderhorn(不思議な角笛)」にちなんでいるようです。
- 詩の内容は、早馬に乗った少年が、皇后に不思議な角笛をもたらすという内容っぽいんですけど(いかんせんドイツ語素人なので)
- 日本語訳が見つからないので、ドイツ語のテキストライブラリのもの(多分古語で書かれてる?)
◆黒い森(シュヴァルツシルト)
- ドイツに実在する森の名前
【引用要素】
- 47話、「『黒い森(シュヴァルツヴァルト)』です。通称『迷いの森』」
◆青木ヶ原樹海
- 富士山の麓に広がる森。
- 磁場の影響で方位コンパスが意味をなさなくなる。
- ゆえに一度迷い込んだら出られないといわれる。
【引用要素】
- 47話、「『黒い森(シュヴァルツヴァルト)』です。通称『迷いの森』」
◆不思議の国のアリス(ルイス・キャロル、1865年)
【引用元キャラクター】
- グリフォン:ライオンの下半身と鷲の上半身を持つ動物。女王に命じられ、アリスを、代用ウミガメのところまで運ぶ。
◆カーバンクル(wikipedia:カーバンクル(伝説の生物))
- 未確認生物(UMA)。
- 額に真紅の宝石を持ち、その宝石を手にしたものには富と名声を得る。
- トトの変身姿のモデル。
◆魔女狩り(史実)
【概要】
- 12世紀ヨーロッパでの異端審問に端を発し、ピークは16世紀から17世紀後半。
- 魔女狩りにおける「魔女」の概念は、伝承やファンタジーにおける「魔法使い」とは異なり、黒魔術や悪魔と関連づけられ、人々に害をなす存在というイメージが作り上げられた。
- この概念の浸透により、人々は不都合な出来事を魔女のせいにし、当時の社会不安から目をそらす志向にあった。これは魔女狩りを政治利用した結果と言える。とりわけ、規模の小さい領邦や、統治者が未熟な地域ほど社会不安が多く、魔女狩りが激化しやすかった。
- また、宗教戦争においてもそれは利用され、敵対する宗派を告発し合っていた。(これこそ魔女狩りがピークを迎えた要因と言えそうです)
- 魔女の嫌疑をかけられた者は、過酷なものだと投獄、処刑の場合は火あぶりや絞首刑が多かった。