【剣の王国】引用・モチーフ#怪物鯨の章

「怪物鯨の章」に出てくるモチーフのまとめです。


[2018.12.18] オズの魔法使い>ブリキの木こり追加


【目次】

登場キャラクターの元ネタ

※登場順
アルフレド

【エイハブ・サザーランド】

  • 「白鯨」のエイハブ船長
  • ピノキオ」のゼペット
  • サザーランド=南の島という意味の語源

【モビー・ファントム】

  • 「白鯨」のモビィ・ディック
  • ピノキオ」のクジラの王モンストロ

【古代樹エンライトン】

  • エンライトン=啓発する教え導くの意味

【ドロテーア】

【ねずみのマキシー】不明

【ガチョウのアマリリス

  • 花の名前

【ハトのポール、リンゴ、ハリー】

【カンブリア】

【円卓の五部族】

【金細工師の部族】不明

【森番の部族】

【竜飼いの部族】

【蚕飼いの部族】

【銀細工師の部族】

【女王(憎悪の怨霊)】

  • 茨姫

【メイベル・ラークシュプール

【オリバー・ハインツ】

  • オリバー→オリバーソース。とんかつソースやお好み焼きソースを製造する会社。
  • ハインツ→トマトケチャップで有名なブランド。

作品別引用要素

白鯨(ハーマン・メルヴィル、1851年)

【参考】

【あらすじ】

  • とある捕鯨船の船長エイハブ。どこか狂気めいた彼は、かつて鯨に足を食いちぎられた事でその鯨を恨んでいた。復讐の念にかられた彼は船員を巻き込み鯨を追う。

【引用元キャラクター】

  • エイハブ船長
  • モビィ・ディック:エイハブの片足を食べた白いマッコウクジラ

【引用要素】

ピノキオ(ディズニー、1940年)

【参考】

【あらすじ】

  • おもちゃ職人のゼペットに作られた操り人形のピノキオ。妖精に命を吹き込まれた彼は様々な騒動を引き起こす。嘘をつくと鼻が伸びる。
  • ある日中々帰ってこないピノキオを探しに出たゼペットは、クジラの王様モンストロに飲み込まれ、彼の胃の中で、モンストロが飲み込む魚をとって生き延びる。
  • ゼペットを探しに出たピノキオもモンストロに飲み込まれ、最後はクジラの胃の中で焚き火をし、くしゃみを誘発させて脱出した。

【引用元キャラクター】

  • ゼペット
  • クジラの王様モンストロ:何でも飲み込むクジラ

【引用要素】

  • ファントムに飲み込まれたサザーランドは、魚を取り、生き永らえる。
  • パンチネロのデス・ソナーで鯨を苦しめ脱出。

その他

吾輩は猫である(夏目漱石、1905年)
【参考】

【あらすじ】

  • ちょっと偉そうな猫の視点から紡がれる明治の人々の暮らしと人生観。(書店のポップみたいになった)

【引用要素】

  • 53話「これらを数式化して演繹(えんえき)すると」→「(略)それを厳格に力学上の公式から演繹して御覧に入れようと云うのであります」

ガリレオ(TVドラマ、2007年、2013年)
【あらすじ】

【引用要素】

  • 数式の筆記シーン
  • アルフレドの髪型の感じが湯川先生にちょっと似てる?

マクベス(シェイクスピア、1606年)
【あらすじ】

  • 大まかなあらすじは「序篇のモチーフまとめ」に記載。
  • 王を刺した短剣をマクベスが持ってきてしまい、夫人は慌てて短剣を戻しに走る。
  • 彼女は罪の意識で夢遊病になり、夜中に起きた彼女は「血が落ちない」と言いながら、手を洗う仕草を何度もする。

【引用元キャラクター】

  • マクベス夫人:トラウマにより夢遊病になり、手が血で汚れているという強迫観念にかられる。

【引用要素】

  • 自責の念に囚われたドロテーアが、「赤い靴」を何度もこする

◆アマリリス(花)

  • 花言葉は「誇り」「おしゃべり」「素晴らしく美しい」。23話のタイトル「どんな美女より美しい」にかかってますね。
  • 古代ローマの詩人ウェルギリウスの作品「牧歌」に登場する羊飼いの娘が由来
  • (因みに改造前の「モチーフまとめ」では、ギリシャ神話に出てくる話だとしてとして書いてしまったんですが、調べても調べてもアマリリスというキャラが出てこなくて変だなあと思ってました。いやあ、誤認情報が溢れているのがネットの怖いところ←)

ビートルズ

◆耳袋 第四巻「言葉を話す猫」(根岸鎮衛、江戸時代中期)
【参考】

【あらすじ】

  • 寛政7年(1795年)、庭の鳩が猫に狙われていたので、和尚が逃したところ、その猫が「残念だ」と喋ったという。猫曰く、10年も生きれば猫は喋るのだそう。あるいは狐と交わって生まれた猫は最初から喋れるんだとか

【引用要素】

  • 59話、自己紹介をしようとしないアルフレドの背景に、「1795」という数字と猫の模様が描かれていました。

◆サザーランドの語源

  • サザーランド→「南の島」という意味の語源。彼の出身地、コローディの南の漁村からきてるのかと。

尾崎豊

  • 盗んだ荷馬車で走り出すサザーランド。

◆カンブリア(旧地名)

◆カンブリア年代記(wikipedia:カンブリア年代記)

  • ウェールズ(かつてカンブリアと呼ばれた地域)の歴史を綴った書物。
  • 幾多の派生作品が存在するアーサー王伝説の源流を辿ると、
    ジェフリー・オブ・モンマスによる「ブリタニア列王史」に行き着くが、このジェフリーが元にした資料のうちの一つがこの「カンブリア年代記」。
  • いずれもラテン語で書かれている。要するに外部からの視点。
  • (ケルト人というのは元々口頭伝承によって文化継承をしてきた民族で、自らの歴史を文字で残さなかったんですね。なので「カンブリア」という言葉の方がラテン語の書物を通して浸透しやすかったのかな、とか、アーサー王の実在性があやふやなのもこういうところなのかなとか考えてしまいます。まあ紙に残された史実にしても政治的な思惑で歪められることがままあるんですが。)

アーサー王伝説>円卓の騎士(wikipedia:円卓の騎士)

  • アーサー王に仕えた12人の騎士(バリエーションによっては25人だったり色々)
  • すべての席が対等という考えから、上座下座のない円形のテーブルを用いた。
  • ブリタニア列王史」を元に、ワースという詩人が、この「円卓の騎士」の要素を追加した。
  • この円卓には、魔法使いマーリンによって魔法がかけられており、新しく円卓の騎士を迎えるにあたり、その者が精鋭としての力量に満たない場合は椅子から弾かれてしまう。

アーサー王伝説エクスカリバー(wikipedia:エクスカリバー)

  • ケルト神話に出てくる「カラドボルグ」が元ネタ。
  • アーサー王は、石に刺さった剣を抜いたことにより王となるが、この石に刺さっていた剣がエクスカリバーだとするパターンと、そうでないパターンがある。
  • 後者は、石から抜いた剣が折れてしまい、代わりに湖の乙女から魔法の剣を受け取るというエピソードで、これは後の派生作品から加わった。
  • エクスカリバーの鞘には魔法の力があり、これを所持する者は傷を受けないとされている。
  • アーサー王はこの鞘を盗まれたことにより、致命傷を負う。
  • 死を覚悟した彼が部下に頼んでエクスカリバーを湖に返還させると、船に乗った湖の乙女たちがアーサー王を迎えに来て、幸福の島アヴァロンへと連れていった。

猿の惑星(ピエール・ブール、1963年)
【参考】

【あらすじ】

  • 300光年先のベテルギウスをめざし、恒星間飛行をしていた主人公含む宇宙飛行士たち。
  • 降り立った惑星は、知能が発達した猿たちによって人間が支配されていた。

【引用要素】

  • 森猿人(ギト)/森番の部族のモチーフ

◆金の斧・銀の斧(イソップ物語)
【参考】

【あらすじ】

  • ある木こりが川に斧を落としてしまい、困り果てていると、川の中からヘルメス神が現れる。
  • ヘルメスは金の斧と銀の斧を提示し、木こりは自分のものではないと答える。
  • 三度目にヘルメスは木こりが落とした斧を拾い、正直な木こりを称え、三本とも彼に授けた。
  • 木こりから話を聞いた欲張りものが彼の真似をするが、欲をかいたため自分の斧を失った。

【引用要素】

  • 森番の部族のSPELLのモチーフ

ウェールズの赤い竜(wikipedia:赤い竜 (ウェールズの伝承))
【概要】

  • ウェールズの国旗にも描かれている通り、赤い竜はウェールズの象徴になっている。
  • ドラコと呼ばれる軍旗は、元々はダキア(現在のルーマニアの辺り)で使われていたもので、この地に攻め入ったローマ軍経由でブリテンに伝わり、ローマ軍が撤退した後も、ブリトン人はこれを軍旗として使用した。
  • 赤い竜をブリトン人の象徴、白い竜をブリテンに攻め入ってきたサクソン人の象徴として、二匹の竜が戦う様が、「ブリタニア列王史」に組み込まれている。

【引用要素】

  • 竜飼いの部族のモチーフ

ネイティブ・アメリカン
【概要】

  • アメリカ合衆国先住民族の総称
  • 毛髪に霊力が宿るとされ、髪を大事にしている。長く伸ばした髪は三つ編みにしている場合が多い。
  • 儀式をする際に、羽根冠をかぶったり、顔や体にペイントを施すことがあるが、これは彼らの典型的なイメージとなっている。

【引用要素】

  • 赤色人(アムリント)/竜飼いの部族のモチーフ

アラビアンナイト>魔法の絨毯
【参考】

【概要】

  • 古くは聖書から現代の文学作品まで、多くの物語に登場する架空の絨毯。
  • 登場人物を乗せ、空を飛ぶ。
  • アラビアンナイトで「魔法の絨毯」が出てくる話はいくつかあるが、wikipediaにあらすじが載っているのは以下の三つ。
    • 「ほくろ」の物語(アラジン・アブ・アル・シャマトの物語)
      「空飛ぶ絨毯」ではなく、「空飛ぶ寝椅子」が出てくる。
    • 「ヌレンナハール姫と美しい魔女の物語」
    • 「バイバルス王と警察隊長たちの物語」
  • (因みにソロモン王が魔法の絨毯を持っていたと紹介されていたので調べてみたんですが、思いのほか出典が不明瞭です。)

【引用要素】

オズの魔法使い>銀の靴
【参考】

【あらすじ】

  • 銀の靴は元々東の悪い魔女が履いていたが、彼女はドロシーの家に押しつぶされ消滅する。
  • 残された銀の靴は、北の良い魔女の進言によりドロシーが履くことに。
  • ドロシーは一時西の悪い魔女に捕まり、銀の靴を取られそうになるが、怒ったドロシーがバケツの水をかけたことにより魔女は溶けて居なくなった。
  • その後、南の良い魔女に会うと、銀の靴に備わっている力について教えられ、帰路についた。
  • ドロシーは無事に帰還したが、銀の靴は途中で脱げてしまい、砂漠の何処かに消えた。

【引用元アイテム】

  • 銀の靴:かかとを三回鳴らすと好きな場所へ運んでくれる。

【引用要素】

  • 銀細工師の部族のSPELLのモチーフ

DEATH NOTE(大場つぐみ小畑健、2003年〜2006年)

  • 62話、アルフレドのモノローグ:ダメだあいつ、何とかしないと→「駄目だこいつ……早く何とかしないと……」

◆赤い靴(アンデルセン、1843年頃)
【参考】

【あらすじ】

  • 赤い靴に魅了された女の子は、自身を引き取った老婦人が死の淵にいる時でさえ、赤い靴を履いて舞踏会に出かけてしまった。
  • すると彼女の足は勝手に踊り出し、昼も夜も踊り続けなければならなくなった。
  • 最後彼女は首切り役人に頼み、両足を切断した。

【引用要素】

  • 69話タイトル「もっと踊る」。赤い靴を履いたドロテーアが戦闘を繰り広げる回でした。
    銀の靴と戦闘が絡む回は「ダンス」に関連づけられたタイトルがついてますね。
    思えばシンデレラも銀の靴(グリム版)を履いて踊りに出かけます。

◆茨姫/眠れる森の美女(グリム童話1812年以降)

  • 69話、女王の人形に刺さるエアリエルが、サイズ的に針に見える。
  • 70話、ドロテーアが繰り出した技名「疾風のスティング」。スティング=チクリと刺す。昆虫や植物のトゲ。

長靴をはいた猫(シャルル・ペロー、他)
【参考】

【あらすじ】

  • 父が死に、分け与えられた遺産が猫だった三男坊は肩を落とす。
  • すると猫は、長靴と大きな袋をくれればとっても良いことが起こるという。
  • やがて三男坊は王様とお姫様の前で、貴族のフリをすることになる。
  • 猫はあらゆる根回しをして周り、結果的に三男坊はお姫様と結婚した。

【引用要素】

  • クライトン・グランデ→装備した時の見た目が似てる。
  • ルフレドが猫っぽいという描写や関連づけが多々あります。顔をこする癖もその一つ?

オズの魔法使い>ブリキの木こり

  • 人間の男だった木こりは、マンチキンの美しい娘と結婚の約束をする。
  • しかし彼女と一緒に暮らす老婆が反対し、老婆の差し金で東の悪い魔女から妨害を受ける。
  • 木こりは足をなくしてはブリキの脚をつけ、もう片方をなくしてはまたブリキの脚をつけ、次は両腕、次は頭、最後に胴体を。
  • ブリキの身体となった彼は娘への愛も結婚願望も消え失せ、自分には心が無くなったと考えた。

【引用要素】

  • アルフレドは具現化数式で両足を鋼に変え、その次に片腕を鋼の変える。
  • 具現化数式を使いすぎて全身を鎧化する頃には心を失ってる――かどうかは分からないが、81話の「具現化数式には悪魔が潜む」発言は、何かしらのリスクを感じる。

不思議の国のアリス(ルイス・キャロル、1865年)
【引用元キャラクター】

  • メイベル:アリスの独り言に登場するクラスメイト。勉強が出来なくて、家もアリスに比べると裕福ではない。

◆鶴の恩返し(wikipedia:鶴の恩返し)
【あらすじ】

  • 罠にかかった鶴が美しい娘に姿を変えて恩返しをしにくる。
  • 彼女は自身の身を削って(羽を抜いて)糸に織り込み、綺麗な布を織っていた。
  • 家の者がついついその姿を覗いてしまい、鶴は空へと帰っていった。

【引用要素】

  • メイベルの容姿が鶴っぽい(色白、黒髪、赤い差し色)

天空の城ラピュタ(スタジオジブリ、1986年)

  • 怪物鯨脱出編のコメント欄では、「ラピュタっぽい」という感想をよく見かけます。確かにアルフレドのゴーグル姿はパズーっぽいですね。

海底二万マイル(ジュール・ヴェルヌ、1870年)