剣の王国まとめ

comicoで連載中の漫画「剣の王国」のまとめです。作品振り返りにどうぞ。

剣の王国 第77篇「連携プレー」まとめ

 ドロテーアたちの乗る船の上を、アルフレドが飛行する。
「あ、アルフレドよ」
 パンチネロを抱えたドロテーアが見上げる。アルフレドは呪文を唱えた。
光芒の尾紐ニール
 たちまちグライダーとマストが結ばれる。
「連結完了。このまま揚力ようりょくを一定に保つ」
「了解。パンチさん出番よ」
 ドロテーアに持ち上げられるパンチネロ。
「10秒間だけだからね」
「任せろ」
 スゥゥっとブレスが開始される。身構える一同。またあの破壊的超音波が繰り出されるのだ。

 キョエエエエ

女面鳥ハーピーの鳴き声みたいじゃ」とサザーランド。
「これでいい」とアルフレド
 波が悶え苦しむように荒れ始める。
「一気に嵐みたいになった。鯨が暴れてるのね」
 強い風に身をかがめるドロテーア。彼女の腕の中では、力を使い果たしたパンチネロが気絶しているように見える。
 尖ったツノを立てる白波。水面には瓦礫がれきが散乱し、船はうねうねとした水面に船体を取られる。
 ……前が見えん
 船首に座るサザーランド。辺りは霧に覆われている。
「サザーランドさん、アルフレドから」
 操舵席そうだせきの後ろから、ドロテーアが指示を出す。
「前方に障害物、11時の方向に進路を変更後、すぐに1時方向に再修正してください」
「よしきた」
 素早く舵輪だりんを回す。舵を切ったその先には、大型の船が待ち構えていた。
「こいつはデカいな」
 サザーランドは言われた通り、1時方向に舵を切り直す。船は、大型船の横スレスレを通過していった。後に続くグライダーの端が、少々ぶつかりはしたものの、第一関門突破といったところだ。
「よし」「やった」「なんという」
 パンチネロだけはゼーゼーと息を切らしていた。
 続く道のりは険しい。散乱する船の残骸が度々船底に衝突する。更に目の前には、二つの巨大な廃船が、互いに船体を内側に傾け、行く手を阻む。
 ……まずい、予想より障害物が多いな
 どうするアルフレド
「サザーランドさん! 10時の方向に見える瓦礫の隙間を通れですって」
「何⁉︎」
 驚くべき指令だ。
「隙間って……あの薄っすら見えるマストの合間か。あれはいかんぞ、儂らが通れても彼氏君が引っ掛かっちまう」
「大丈夫!」
 ドロテーアが力強く進言する。
「サザーランドさん、ことわざに『急がば回れ』ってあるでしょ」
 サザーランドは思った。
 ──意味が逆じゃないか
 しかし彼は、グッと口を結び、舵を強く握った。
「まあよいわかった!」
 ドロテーアの信じてやまない・・・・・・・瞳が、真っ直ぐ前を見据える。サザーランドは舵を切った。
「お前さんたちを信じるぞ」

 TO BE CONTINUED...

補足

揚力(ようりょく)=一定方向に流れる空気に対し、その流れを受ける形で翼が置かれると、翼に当たった空気は上下に別れる。すると翼の後ろ側は空気が薄くなり、圧力が下がる。するとすると、下がった圧力は、翼の下を流れる空気の圧力に押し上げられる形になる。この押し上げる力を「揚力」と言う。(調べたら思いの外難しい言葉だった)