剣の王国まとめ

comicoで連載中の漫画「剣の王国」のまとめです。作品振り返りにどうぞ。

剣の王国「第69篇 もっと踊る」まとめ

 ドロテーアが見上げる先──そこには、水中から現れた女王姿の怪物がいた。
「あ、きれいなお顔だ、ちょうだい」
 ニンマリと大きな口を開けた顔が首を傾げ、彼女が座る岩を鷲掴んでくる。余程の握力なのか、手中に収まる岩に亀裂が入り、格子状に割れる。ドロテーアは尻餅をつくように姿勢を低くした。

 全然怖くない
 今度は私が
 ──アルフレドを助ける

 強く見開かれた瞳が怪物じょおうを見据える。そして、岩をつかんでいる腕に向かって、真っ直ぐにつるぎを突き刺した。
「うっ痛い」
 ついつい怪我した方の利き手で押し込んでしまった。
 怪物はギョロッとドロテーアを見下ろし、唸り声を張り上げる。そして次の瞬間、勢いのついた尻尾がドロテーアを襲う。尻尾は彼女が座る岩を打ち砕き、彼女は砕けた岩と共に海水へと沈む。気泡に包まれた彼女は、息を止める。ふと、赤い靴が光り始め、それを見た彼女は、
「竜巻のステップ」
 海水に対し、かかとを踏み込んだ。
 怪物は、腕に刺さったつるぎを──彼女にとっては縫い針ほどの棘をつまみ、プスッと引き抜いたのち、海水へと投げ捨てた。
 ふとそこへ、赤い靴を光らせたドロテーアが水の中から勢いよく飛び出してくる。彼女は怪物よりもはるかに上空まで飛び上がった。上空ではフワッと浮かび上がっていたものの、赤い靴がプスンと力尽き、ドロテーアはその高さから落下し、通路の上に転がった。
「あうっ」
 息を切らすのも束の間、次の攻撃が襲ってくる。
「!」
 怪物は彼女が倒れている木の通路を噛み砕いた。ドロテーアはかろうじて喰われはしなかったものの、めくれた板と共に体が宙に浮く。
 しかし彼女は、

 倒してみせる
「来て! エアリエル!」

 着地した足で踵を鳴らす。たちまち彼女のつるぎエアリエルが水中から飛び出して来た。

 ──アルフレド、だからお願い、私を見て

 再び踵を踏み、彼女は立ち上がる。そして彼女の意志に寄り添うように、エアリエルの矛先が目標を捉える。
 その瞳を例えるなら、冬の澄んだ空気を詰め込んだ水晶。彼女が狙う先は、アルフレドが生み出した怨霊。彼が心を閉ざす核心げんいん
「負けるもんですか」

 TO BE CONTINUED...