剣の王国まとめ

comicoで連載中の漫画「剣の王国」のまとめです。作品振り返りにどうぞ。

剣の王国「第14篇 ご主人様のご帰還」まとめ

 ネモ・トンプソンと戦闘し、彼を取り押さえたアルフレドは、要求を言い渡す。
「死にたくなければ言う通りに行動しろ。いいか、もう既にお前の仲間は三人捕らえた。三人とも西の海岸に吊るしてある。そのそばに食料を積んだ小舟を用意してある。それに乗って五人全員で今すぐここから出て行け。そして二度と戻って来るな。わかったか? 反論もしくは反抗すれば全員殺す」
「西の海岸……」
 この様子を草陰から覗いていたゴンザーロが呟いた。
「待ってくれ、話がしたい。我々は『アトラント』という伝説の都市を探しに来た……」
「アンタと話す事なんて無い。西の海岸に行くにはここからだと一旦東の海に出て海岸沿いを進むのが一番速い。分かったらさっさと……」
 その時、空から大きな生物が飛来した。何やら首の長い……。
「まさか、もう帰ってきたのか……⁈」
 アルフレドのグレイプニルをエコーが引っ張った。
アルフレド危ない!」
「エコー⁉︎」
 次の瞬間、その生物の大きな口がアルフレドと船長を襲う。
 ガチンと柱のような大きさの牙が噛み合わさると、大きな悲鳴が響く。
「あああああああ!!!」
 船長のものだ。彼は胴体を噛みちぎられていた。
 ──間に合わなかった……!
 アルフレドはエコーに引っ張られた事により、間一髪命拾いする。
「ひっ、そんな……⁉︎ ドラゴン⁉︎」
 陰で見ていたゴンザーロが腰を抜かす。
 引っ張られた勢いで地面に投げ出されたアルフレドは、左脇の傷が開きうずくまる。痛さで咳き込んでいると、船長が履いていたブーツが転がって来る。
 無論どこから落ちて来たのかと言えば……。
「何やってんだいアルフレド
 そこには、二対の竜が慄然りつぜんたる貫禄でたたずんでいた。
 頭上高く伸びた口の先では、今、人間が一人噛みちぎられ、飛散した血汁が地上に降り注ぐ。
 口元から血を垂らした青い竜と、薄く紫がかった竜がアルフレドを見下ろす。
「フギン様と」「ムニン様のお帰りだよ」
「どうして侵入者を野放しにしてるんだい? ええ?」
 木の陰でエコーがはわわわと慌てふためく。
「自分の仕事を忘れてないかい? ほら言ってみな、お前の仕事は?」
「フギン様とムニン様がお帰りになるまでに、侵入者を残らず吊るしておくことです」
 ムニンは、アルフレドの体のすぐ横まで口元を寄せ、蛇がカエルでも見下ろすかの如く、ギョロっと睨みつける。
 アルフレドは身がすくみ、冷えた汗を流し硬直する。
「じゃあ何モタモタしてんだい」
「まあまあハニー、イライラすると美容にも良くないよ。奴隷としてはまだ使える方だ」
 フギンはいまだに人間を咥えている。
「にしてもこいつ肉が固くてまずいな」
 二人の間でアルフレドは黙り込む。
「何言ってんだい! 取り決めは取り決めだ。一度でも仕事をこなせなかったらスープの材料にする決まりだよ。そろそろデカくなって食べごろさ」
 ニンマリとした表情でケケケと笑う。
 フギンの方は人間をごくんと飲み込んだ。
「あたしゃずっとこのガキを喰いたかったんだよ。それにこのガキは憎きあの部族・・・・の生き残りじゃないか。ほらあの……円卓の五部族の……」
 ムニンの首元には、「ZIRCONIA」と刻まれた四角錐の瓶がかかっていた。中には雪の結晶のようなものがキラキラと輝いている。
「竜飼いの部族だな」
「それそれ、頭から食い千切ってやりたいわ〜」
 再びニンマリとするムニン。
「今の顔すごく美人だよハニー」
「今の顔だけかい」
「もちろんいつもだよ」
 慌ててフォローするフギン。
「ねえ〜、食べてもいいでしょ」
「そうだな食べよっか!」
「それじゃあ今までご苦労だったねクソガキ……」
 気づくとアルフレドは姿を消していた。
「どこに行った‼︎?」
 首を突き上げ、怒号をあげるムニンを、アルフレドは逃げ込んだ森の中から目視した。
アルフレド、怪我は大丈夫……」
「北だ、走れ!」
 フギンは、ムキーっと怒るムニンをなでこなでことなだめる。
「怒らないで〜ムニン、すぐに見つかるさ、どうせ外には出れないんだからね。もし無理に出て行こうとすれば、あの奴隷印から全身に稲妻が走り、激痛で痙攣けいれんして死んでしまうんだから」
 アルフレドは走りながら思案する。
 くそ……、こんなにあいつらが早く帰ってくるなんて計算外……いつも日没後なのに。
 ──まだ勝機はある。あのウスノロ女と合流して卵さえ手に入れれば取引が出来る。大丈夫だ。必ず上手くいく。

 TO BE CONTINUED...

「剣の王国」作品ページ

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