剣の王国まとめ

comicoで連載中の漫画「剣の王国」のまとめです。作品振り返りにどうぞ。

剣の王国「第5篇 円卓の五部族」まとめ

 ──暴力だけは絶対に嫌だったけど……! ここで捕まってる時間がない! 少しの間身動きできなくするだけ──!!!
「アルフレドーーーー!!!」
 しかし今にも突き刺さろうとしていた剣先は、ピタっと動きを止めた。気付けばアルフレドSPELLスペルが、剣を持つ手を捕らえている。
「この紐さっきの……!」
 アルフレドは静かに獲物を見据え、詠唱えいしょうする。
光芒の尾紐グレイプニル
 ──これに捕まっちゃダメーー!
 とっさに身をかがめて紐をかわす。

 「光芒の尾紐グレイプニル」とは、「ピグマイオイ」種の「油売り」部族が継承するSPELLスペルである。
 「ピグマイオイ」とは、広義の小人族のひとつ。体長は15〜20センチエーテル──1エーテル=約1メートル──。2つの小国家を持っているとされるが、その所在地は不明。
 このSPELLスペルは、高い木の上になるヤシ油の実の採集に用いいられるほか、動物の狩猟にも適する。
 それは細いが強度のある特殊な紐──一瞬で敵を捕らえる〝魔のかせ

 アルフレドがピンと紐を張り巡らせると、
「今度は下……!」
 ドロテーアはそれに翻弄される。
 ──光芒の尾紐グレイプニルの弱点は、紐を形成する前に光の筋が見える事。反射神経の良い動物には紐の出現が察知され、捕らえる前に逃げられてしまう。
 ドロテーアは足元に出現した紐をジャンプでかわす。
 ──そこでだ。
擬似餌の釣り針合わせフッキング・グレイプニル
 ──対策として……予め紐をトラップのかたちに形成しておく。光の糸をわざと見せ、獲物をトラップへと誘導する。
 アルフレドが紐を引くと、木と木の間に渡した紐がピンと張り、そこにドロテーアの膝の裏が引っ掛かり、ぶらんと吊るされる。
「紐が上がっ……‼︎?」
「更に応用編」
「な、何⁉︎」
 ドロテーアの手足もみるもる絡め取られてゆく。
「もしかして、あやとりしてるの‼︎?」
 ついにはエアリエルから手を離してしまう。
 最後にシュルっと全ての紐を引くと……
「完成」
 それはまるで蜘蛛の巣。
空腹蜘蛛の綾取り寝床ハングリースパイダー・グレイプニル
「っ……」
 ぐうの音も出ないドロテーア。
「おかえりアルフレド、やられちゃうかと思ったよお」
 アルフレドは紐をたぐり寄せ、エアリエルを引っ張り上げた。
「私のエアリエル! 返して‼︎」
 ドロテーアは自分を縛る紐にかかとをぶつける。
「また竜巻!」とエコーが警戒するが……。
「あれ? 飛んでかないぞ」
 エアリエルはアルフレドにしっかりと握られていた。
「こうやって握られてたら、あんたはつるぎを取り返せない。その程度の風しか起こせないんだ。だからあの連中にいいようにされていた……そうだろ? ていうか、二度も易々やすやすと大事な武器を奪われるなんて鈍臭すぎるな」
「な……!!!」
 恥ずかしさで顔が沸騰する。
「『エアリエル』……ね。名前の付いたつるぎを携えるのは『ドワーフ』種に特徴的な慣わしだ。この慣習はもとより王と王のつるぎ『カリバーン』の関係性にならったもの……王への忠誠心を表す」
 アルフレドはさらに鋭い目を向け、核心へ迫る。
「それからその靴だ。かかとを打って竜巻を起こす。『銀の靴』。かつて王宮に仕えた『円卓の五部族』のひとつ、『銀細工師』の長が継承するSPELLスペルだ。恐らくお前は……銀細工師ドワーフの部族長の娘だな? もっとも、お前が何らかの『取引』でそのSPELLスペルを得たのでなければ、だけど」
 ドロテーアは黙り込む。
「……おい、アイツ素っ裸にぐ必要あった?」
「だってアルフレドが武器持ってないか調べろって言ったんじゃあん」
 ひそひそと内輪揉めをしていると、ドロテーアが話し出した。
「……私、アーカンザスから来ました……ち……父……っ……父が……突然、領主さまに連行されてしまって……エメラルド……首都エメラルドへ……この靴を渡せば……わたせば助けられるかもしれないんです……でも……ッ、早くいかないと……裁判に間に合わない……!!! 父が打ち首になってしまう‼︎‼︎」
「ワァオ」
 彼女は涙ながらに訴える。
「父を助けたいの……!!! お願い……‼︎ どうか私を放して……‼︎‼︎」

 TO BE CONTINUED...

「剣の王国」作品ページ

「ふはははは、逃げてると思うだろ? 捕まってんだぜそれ」
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