剣の王国まとめ

comicoで掲載されている漫画「剣の王国」のまとめです。作品振り返りにどうぞ。

まとめ-007コローディの章

剣の王国 第145篇「ソフィア・バード」まとめ

夜空と言うには暗くろが足りない。夜明けと言うにはまだ何かが足りない。だが流れる星々を観測していられるのはあと少し。山の向こうに立ち込める雲が碧色を放ちはじめている。吹き渡る風にまじる草の香りが鼻を刺激する。その草原は、所々おぼろげな光を放…

剣の王国 第144篇「屍を越える二人」まとめ

「はあ、はあ、はあ」 ドロテーアも身構える。 二人は顔を上げた。 アルフレドの言うところの、「血祭り」とやらが始まるらしい。 さあ アルフレドは光の紐を束ねた。 立ち上がれ 散乱する喰獣族ノールの武器たちに紐が巻きつき、 少年、少女 次々と引き上げ…

剣の王国 第143篇「ふざけるな」まとめ

「あっ、アルフレド危ない‼︎」 ドロテーアが叫んだ。 気付けばアルフレドの背後に迫る野獣。鋭い爪を振り上げ彼の背中を掻っ切った。服の上から、にもかかわらず勢いよく血が吹き出す。 「うっ、く……」苦痛で顔を歪めるアルフレド。 「!」さらには頭頂部に…

剣の王国 第142篇「獣面獣心」まとめ

――マジ無理マジ無理 パンチネロは耳を塞いだ。 ――なんでアイツら戦ってんだよ、ワケわかんねーよ 恐怖で涙がにじむ。 ――これ普通に死ぬだろ とにかく大群なのだ。四方八方を囲まれ、迎え撃つのはたったの二人。襲い来る敵を防ぐので精一杯だ。 ――俺様はここ…

剣の王国 第141篇「背中を合わせろ」まとめ

馬車は宙を舞っていた。 アルフレドはとっさに飛び出し着地すると、すぐさま後ろを振り返った。 「馬をやられた!」 先程まで馬車を引いていた二頭の馬たちは、血を流し地面に横たわっている。馬車本体も横に倒れている。 「おいお前ら、馬車から出ろ」捲き…

剣の王国 第140篇「一角馬」まとめ

今度はアルフレドが御者台に座り、手綱を握る。 交代したパンチネロは、あいも変わらずドロテーアの肩が定位置で、あいも変わらず彼女の様子を注意深く観察している。 「なあお前、ケガは大丈夫か」 サーカスでは酷く傷めつけられ、現在は左頬に大きな絆創膏…

剣の王国 第139篇「甲斐なき炎が沈む夜」まとめ

押し潰されるようにうずくまる。座長は「はあ、はあ」と息を乱しながら嘆いた。「なんで私がこんな目に……」 アルフレドがゆっくり近づいてくる。座長は地面に顔をつけたまま、アルフレドに問いかけた。「教えてくれ、はあ、はあ、私は殺されるのか?」 アル…

剣の王国 第138篇「月夜の道中」まとめ

馬車はコローディを抜けた。 車内はなんだか重い空気が漂っている。うなだれる座長と、その対面で威圧的に肘をつくアルフレド。そしてその隣では、存在感を消すかのごとく、うつむくドロテーア。この重苦しい馬車を引くのは一人の御者……ではなくパンチネロだ…

剣の王国 第137篇「The Queen of Kingdom」まとめ

とにかく女王の一声なのだ。 かつての碧みどり色に輝いた都みやこはもはや存在しない。まるで衣替えでもするかのように、赤い都へと塗り替えられたからだ。城も街も、皆屋根は赤く、壁は白く、他に許されているのは金色のフレームくらいだ。刷新された国旗も…

剣の王国 第136篇「The beauty」まとめ

「ん、なんか焦げ臭い?」 一人の観客が、くんくんと周囲を気にしだした。もっとも他の観客たちは、別のことに気を取られているのだが。 「どういう事だよ五部族って……あの女」 「知らねーよ、俺に聞くなよ」 「犯罪者を殺したってことでしょ、いいんじゃね…

剣の王国 第135篇「Where are you?」まとめ

「あ」 彼女はなんだか、散りゆく花びらでも眺めるかのように、その光を見上げた。 「鎧が」 ドロテーアを覆っていた鎧が、分解をはじめたのだ。 「消え……」そして突如、彼女は地面に膝をついた。分解を終えた箇所は黄色いスーツに戻っている。 「何これ身体…

剣の王国 第134篇「暗雲」まとめ

「リグワール……」 ボンバイエサーカスの筆頭曲芸師は、観客席に落下し、気を失っている。 「ツインズ……」 双子のドワーフの竹馬乗りたちも、裂けた竹とともに地面に倒れている。 「処刑ゴリラ……」 彼もそう。 「グリスちゃん……」 皆、倒されてしまったのだ。…

剣の王国 第133篇「Finale」まとめ

身構えたドロテーアの周囲を、白い蒸気が覆う。 これというのは、何やら鎧の隙間から発せられているものだ。ひざ関節、肘の上、肩甲骨けんこうこつの上二ヶ所。 ダッカーは呆気にとられ、しかし、とにもかくにもと指示を出した。 「バネッサ副官、全隊へ通達…

剣の王国 第132篇「その力は」まとめ

二人の団員を倒したアルフレドは、仕切りのカーテンを開けて奥へと進む。 「ん?」「なんだお前」「?」 牢屋に突き当たり、鉄格子の前で退屈そうにくつろぐ三人の団員と、鉄格子の奥の奴隷たちが、皆ポカンとした様子でアルフレドを見やった。 アルフレドは…

剣の王国 第131篇「On the deplorable road」まとめ

光ネオンが映えるのは、サーカス街の夜だからだろう。 たった一人、その闇に立ち向かった少女は今、生気を失い、その瞳からは既に、それらしい意思を感じない。力なく垂らされたその腕を伝い、赤い水滴が地面へと滴り落ちた。そして砕け散るかのごとく、飛び…

剣の王国 第130篇「届かぬ咆哮」まとめ

パンチネロは訴えた。 「これまでアイツがどんなバカやったって、やれやれとか言って助けに行ってただろ。つーかそもそもこの戦いに何のメリットがあるんだよ、まさかドロテーアがこのまま戦ってサーカス団に勝てるとでも思ってんのか⁉︎」 アルフレドは問い…

剣の王国 第129篇「戦後生まれのガキ」まとめ

轟音響かせ、ドロテーアの前に降り立つ巨大なゴリラ。前日の興行では、逃げ惑う夫婦を虐殺して見せたあのゴリラだ。その大きさたるや、肩に乗るグリスが小人に見える程だ。 彼女といえば、思いもよらずドロテーアからビンタをくらい、さぞ鬱憤を溜め込んでい…

剣の王国 第128篇「四面楚歌」まとめ

対峙するドロテーアと異国風剣士の男。 「某それがしの名はヒザン」グッと彼女を睨みこむ。「参まいる」 一方ドロテーアは、どことなく怯ひるんでいた。アルフレドが思わず焦りの色を浮かべる。 ――バカが、「怒り」を解いたな ドロテーアは走り出す。ヒザン…

剣の王国 第127篇「真剣勝負」まとめ

確実に相手の足を無効化して行くドロテーア。 その瞳いかりは乱れることなく涼しげだ。 アルフレドは彼女の戦い方を考察していた。 脚部きゃくぶへの刺突しとつに終始する不殺の剣…… ドワーフ流の剣術か 将又はたまた甘いだけか「クソッ、怯むなよお前ら」一…

剣の王国 第126篇「命短し怒れよ乙女」まとめ

「あ、ああ……あのバカ……」 パンチネロがあわあわと気をもんでいる。たまらず「オイ‼︎」とアルフレドを怒鳴りつけた。「おドジがサーカスに飛び込んじまったじゃねーか、どーすんだコレ‼︎」 アルフレドは、はたはた迷惑そうに顔をしかめた。もちろんパンチネ…

剣の王国 第125篇「少女の選択」まとめ

「やめなさい」 その言葉いかりは鐘のように鳴り響いた。 地面に伏せたままのジョンもまた、その少女の登場に驚き、凛然とたたずむその後ろ姿を見上げた。 「ちょっとお嬢ちゃん〜、だめじゃない邪魔しちゃ」ニコニコとした様子で近寄ってくるグリス。「それ…

剣の王国 第124篇「アンガージュマン」まとめ

「やっとへバッたよこいつ」 仰向けで息を切らすジョンの様子を、二人の団員が見下ろしている。「マジ手こずらせやがって、こんなの初めてだ」 ジョンは苦しそうな表情で目を閉じた。 「はあ、クソ」 ――体が動かない。あのナイフ野郎……毒か 「流石はフランダ…

剣の王国 第123篇「フランダーシルの忠犬」まとめ

「さあさあ、手投げナイフの大売り出しだ」 リグワールが何本ものナイフを瞬時に投げつける。 「ぐっ」ジョンは腕でガードを作るが、ナイフが一本刺さってしまい、思わず「小賢こざかしい」ともらした。 「お前は暑苦しいんだよこの怪力マンが‼︎」リグワール…

剣の王国 第122篇「悔恨と決意」まとめ

「さあて、やるか」 リグワールが二本のナイフを構える。 身体に赤い紋様を光らせたジョン・レインが、彼に向かって突進してきた。 リグワールは繰り出された左ストレートを回避し、右手に持ったナイフを突きつけるが、ジョンはナイフごと彼の手を握り掴んだ…

剣の王国 第121篇「“ジョン・レイン”」まとめ

「ぐっあ……」 稲妻の衝撃が、父親の身体を駆け巡る。 「奴隷印の電撃マスターズ・ブリッツ」 座長による制裁だ。 「非常にいいよキミ、でもちょっと飛ばし過ぎかな」 穏やかな表情をつくり諭してくるが、彼からしたらショーの緩急など知ったことではないのだ…

剣の王国 第120篇「剛のSPELL」まとめ

サーカス団員を殴り飛ばす父親。思わず見上げる子供、ビビり出すサーカス団員たち、ドロテーアは固唾を飲んで見守り、アルフレドは無言のまま見守る。その他の観客もザワザワとし始めた。「おいおい……」「なんだあの奴隷」「手錠引きちぎってねーか……」座長…

剣の王国 第119篇「竜魂」まとめ

「絶対に」 アルフレドは目を見開いた。彼の瞳に映る光景――そのショーは、今現在でも続いている。パンチネロが「あれ血か?」と呟くと、ドロテーアが「え……?」と目を丸くする。アルフレドは言葉を続けた。「絶対に席を立つな」と。 会場は歓声に包まれてい…

剣の王国 第118篇「原点回帰」まとめ

舞台は賑やかに、つつがなく進む。 笑顔を振りまく空中ブランコ乗りの女の子たち。宙を舞うボールと、その上を飛び回るお猿さん。そのボールを不器用にジャグリングするピエロたち。鉄の首輪に繋がれたドラゴンは、闘牛のような角を生やしたライオンと格闘す…

剣の王国 第117篇「希望」まとめ

腕を組むアルフレドと、ドキドキとしながら見守るドロテーア。ボンバイエサーカスの先陣を切ったリグワールによる曲芸が始まったのだ。 彼が大きく両手を広げると、背後にある二つの箱がボンッと音を立て、白い鳩の群れが一斉に飛び出す。その光景に観客の子…

剣の王国 第116篇「“フェリシテ”」まとめ

コローディのはずれ。 私は小さい貧民街スラムで育った 少女は小高い坂の上から、はるか向こうの港街を眺めている。 「おーい」その方角から、一人の少年がくねくねとした坂道を登ってくる。 「あっ、帰ってきた」少女は嬉しそうに少年に駆け寄る。「おかえ…